祝い花

芳しい香りが魅力的な「沈丁花」

■季節の訪れを知らせる三大香木の沈丁花

沈丁花は、ジンチョウゲ科ジンチョウゲ属の常緑性の低木です。
中国中部から雲南省、ヒマラヤ地域原産で、日本には室町時代以前に中国から伝わったといわれています。
香り高い花を咲かせ、季節の訪れを知らせてくれる春の沈丁花、夏の梔子、秋の金木犀は三大香木と呼ばれています。
香りは120~150以上もの成分で構成されており、先ほどの三大香木の中でも一番遠くまで香りが運ばれるといわれる芳しい香りが魅力です。
沈丁花の名は、花の香りが沈香に似ており、さらに十字型の花が丁子に似ていることから名付けられています。
樹高は1~1.5mで、花色は白や淡紅色の花を咲かせます。
春の沈丁花と呼ばれるように開花期は3~4月です。
花のように見える部分は花弁ではなく、萼が花弁のように変化したものです。


■水やりについて

根が地中深くに伸びないことから水の吸収が悪く、乾燥が苦手な植物です。
新芽が成長する春や高温の夏には乾燥させることがないように、土が乾いたらたっぷりの水やりを行いましょう。
そのほかの時期は特に水やりする必要はありません。
鉢植えの場合も土を乾燥させ過ぎないように水やりを行います。


■肥料について

春に伸びる新芽を生育させるために花後の4月中旬と下旬、株が生育してくる9月に緩効性化成肥料を施すと良いでしょう。
さらに寒肥として、油かすと骨粉を等量混ぜたものか有機質肥料を1月から2月に施すと、花の時期に株が弱ってしまうのを防ぎます。


■病気や害虫について

病気については、根部に菌が付けいて褐変腐敗してしまったり、葉がしおれて黄化や落葉する白紋羽病が発生する可能性があります。
このほかにもウイルス病にかかる可能性もあり、発見したときには症状が進行している場合が少なくありません。
これらを避けるためには、強剪定や連作を避けることが予防につながります。
春から秋にはアブラムシ、ハマキムシが発生することがあります。
アブラムシは新芽の部分に付きやすくなり、ウイルス病を媒介したりします。
またハマキムシは葉を食害してしまいますので、いずれも発見したらすぐに駆除剤などを使って防除しましょう。